西暦２００1年9月でございます。

廻りもの

寿司と言えば回転寿司を指す昨今ですが、あのベルトコンベヤーを利用したほかの料理店もぞくぞく登場しているようです。

鍋とか焼肉なんかの具がぐるぐる廻ってるんですな。

あいかわらず皿の色で値段がきまっていて、財布の中身と相談しながら手のひらの中の幸せを目一杯味わえると言う寸法。

カルビ一皿をカップルで分け合ったり、焼き野菜と御飯という必殺技の展開も可能。

ハイクヲリティ情報番組「ワンダフ○」で拝見したところ、なかなか流行ってる模様です。

ただ、そういう回転方式料理店が流行している理由に、安いこと以外のものがあると私は踏んでいます。

どっちかといえばそっちのほうがおもな理由ではなかろうか、なんて考えるくらいです。

その理由と言うのは、回転方式料理店では人との接触が少ないというものです。

実際、店員との接触があるのは会計時と赤だしを頼むときくらいで、あとは目の前のベルトコンベヤーと向かい合ってるだけでいい。

キムチを頼んだのにカルビが来て「オイオイ、カブってんのは色だけじゃないかい！」とビシッと裏拳で突っ込むという労力もいらない。

「すいませーん」と、リーズナブルな店につきモノな接客業にはきっと向いてない星の元に生まれた店員に話しかける必要も無いのです。

たぶんこれが重要なところだと思います。

そんなことを考えるのは、下記のような事象を目撃したことに端を発しています。

ある日、トラック野郎御用達のラーメン屋に言った時のことです。

結構広い店内で数人のオバちゃんがセカセカ動き回っています。

そのオバちゃんに呼びかけないと替え玉は出来ないシステムで、しかも小さいことは気にしないことにしているオバちゃんばっかりなので、結構大声で「すんませーん！替え玉ひとつ！硬めで！」という感じで基本的に「！」が付くくらいの気合が発言には必要になります。

天性の通る声（通称エンジェルズボイス）な私は、特に困りはしなかったんですが、隣の席に座ってた方は難儀してらっしゃいました。

彼は見た目は「うらなり君」といった風体で、普通そのフレームは選ばんだろう銀縁のメガネ、もはや売っているところを確認できないストーンウォッシュのデニムジャンパー、しかも猫背でうつむき気味。

私の想像では、所有するゲーム機は七種類以上（ソフト多数）、アイドルの切り抜きとレアなLD（たとえばベルリン忠臣蔵など）収集がシュミで、親と同居なので給料の大半は自由に使えるため貯金は結構持っている。はず。

ですので、内向的な正確が災いしてしまい、真横を通ってるオバちゃんにも気づかれないほど「すいませーん」の声も小さく、なかなか替え玉を注文することが出来ない。

彼はきっと、「わかってるんだ。俺は地球規模で考えれば砂粒のような人間なんだ。替え玉が出来なくてもしかたないんだ・・・」なーんて被害妄想に陥っていたものと思われます。

彼の流した涙と鼻汁が、ちょっとだけラーメンスープの塩分濃度を上げたことでしょう。

そんな「人とかかわるのは面倒だ」と考えてるであろう、彼のようなタイプの人ってかなり増えてるような気がします。

あまり人とかかわりを持たないようにしている人って良く見るじゃないですか。

通りを歩いてて、目の前の人が急にばたっと倒れてもするりとよけてつかつか歩いていく、みたいな。

そんなことじゃイカンのですよ。

声を大にして言いたい。

人は一人では生きていけないのだと！

ということで、寂しい掲示板をみたら、書きこんでください（笑）

2001/09/27

恋とバイク

ここ最近、めっきりスポーツバイクというか、いわゆる運動性能に特化したバイクを目にしなくなりました。

そのかわり、運動性能はどこかに置きわすれてきたようなケッタイな格好にさせられたバイクを良く見ます。

好きでやってるんでしょうけど、あまり好意的に見きらんです。

どっちかといえば「ケッ」って感じで見てます。

しかも、彼氏彼女が二ケツしてたりすると、涙ぐみ哀愁をたっぷり含ませた陰湿系な「ケッ」を発してるのはココだけの秘密です。

また、たまにですが、彼氏彼女の両方ともがライダーなカップルも見うけます。

彼氏がハーレーで彼女が国産の中型アメリカン、みたいな。

ダバダバッとすリ抜けしていった彼氏を追って路肩をよろよろ進む彼女は、後ろから見ていてなかなか微笑ましいものがありました。

そして彼氏に追いついて一言二言交わす、なんてちょっとしたドラマチックな雰囲気を蹴散らさんと、すぐ後ろでビャンと空ブカシする私（笑）

そのカップルにとってはテロリストでしょうけど、世間一般の寂しい男たちにとっては作戦名「無限の正義」といってはばからんでしょう。

ビバ！正義（まさよしではない）

しかし、2台でツーリングするという形式のデートなんですが、基本的に走行中の会話ってないはずですよね。

上記のように一言二言交わすのが関の山です。

目的地で観光とか飯とか食いながらお話はするんでしょうけど、たぶんお互いバイク好きなんでしょうから結構遠出なんかしちゃうわけですよ。

往復200kmとしても、走行時間は６，７時間はかかるものと推測されます。

そうなってくると、やっぱり現地でとれる時間は2時間くらいですか。

走って疲れるので帰りしな違う休憩なんかも取らんでしょうし。

やはり「一緒に居るんだけど会話が無い」という状況が長時間続くのは必至です。

付き合い始めてすぐって感じだと、基本的にベタベタしたい盛りですので問題があるような気がしますが、「付き合いってもう4年になります」みたいなカップルだと逆に適当な距離感が一緒に居る時間の濃度を高めるような効果があるような気がしてなりません。

女：「あなたの後姿をずーっと見てたら、なんだかおっきな背中だななんて、普段思わないことを考えちゃったわ」

男：「結構無理なすり抜けをついてきてくれる、そんなお前にフォーリンラブ」

女：「やだショウちゃんったら、恥ずかしいじゃない、こんな交差点の真中で。ほら、青だよ」

男：「（セルフィッシュに苦笑）」

なんて会話があったりするのか？

そうなのか？

答えがわかったところで、なんの役にも立たんですな。

バイクは一人で乗るもんタイ！

2001/09/26

We are FATs

友人が私の横でなにやら電話中。

今夜の飲み会の予定を決めている模様。

しかし、電話に出てくる名前に聞き覚えのある名前はほとんどなく、私の切りこむ余地は無さげ。

大学の掲示板に「乙女座飲み会　○月○日何時にどこどこ集合」と書いてあると、「私も乙女座だ」ということでその集合場所に馳せ参じて集団になじんだりしたものですが、さすがに私も大人になりました。

もうそんな厚顔無恥なことはできません。

そんなことができるのは３０歳まで。

ということで、その飲み会に切りこむことはナシとすることに決定です。

しかし、隣で飲み会の話をされている現状。

私の脳内にある飲み会企画本部では激論が繰り広げられます。

飲み会反対派：「先日の旅行で散在もありますので、身分相応に本日の飲み会は無しということでよろしいでしょうか」

飲み会推進派：「ナニいっとるのかね、チミは。飲みたい時は飲む。きまっとるだろうが！」

飲み会推進派が過半数を占める飲み会企画本部では、だいたいにおいて反対派の意見は通りません。

決定事項は即座に飲み会事業本部に廻され審議に入ります。

（こちらの内容は社外秘と言うことですので、審議内容の公表は控えさせていただきます。）

長い審議の末、結論は「最近飲んでないDさんの家で焼酎をキュッとやる」というものでした。

ちなみにDさんは焼酎愛好会なぞ結成されてるほどの無類の酒好きで、飲んでも飲まんでも議論好きというナイスガイです。

早速Dさんに電話します。

私：「どーもー、久しぶりっす。今晩焼酎でも一緒に飲みませんか」

Dさん：「あーいいねー。でもね、実はガンマGTPが3ケタ超えちゃってさー。医者から止められてるのよ、酒」

「御飯でも食べにおいで」と誘っていただきましたが、私は食ったら飲んでしまうのは火を見るより明らかです。

しかしDさんは決して飲むことは出来ない。

ドクターストップのかかったボクサーのテンプルに、きついコークスクリューパンチを打ちこむことはできません。

お誘いは辞退させてもらい、Dさんの復帰の暁には杯を交わそうと約束をしました。

Dさんを事実上抹殺したガンマGTPですが、基本的な対応策は「やせること」だそうです。

逆にいえば、太り気味の人は抹殺される可能性が濃厚なわけです。

私も中性脂肪値やガンマGTPは基本的に高めなので、気をつけなければなりません。

「自分もまずやせなければ・・・まずは食事を質素にすることからはじめよう。」

そう思った矢先に、母上から電話が。

母上：「あんた今日は帰ってくるとね？」

私：「まぁ、帰るよ。なんで？」

母上：「いや、上寿司とってるのよ。　帰ってこないなら食べとこうと思って」

私：「ちょちょちょちょっと待って！いや帰るやれ帰るそれ帰るから！まじで！」

帰宅後、ちゃんと残してあった上寿司を腹いっぱいいただきました。

質素な食事は明日からだ♪

2001/09/22

高いか安いか

安価なことを理由に選んだ高速バスでしたが、ハッキリ言って失敗でした。

まず、疲れます（笑）

9時間くらいじーっと座ってるワケですので当たり前なんです。

最初は「寝てれば着く」なんて考えてたんですが、移動してる以上疲れないわけはありませんやね。

思ったよりもシートは小さかったのもあります。

まぁそれは大方予想できないことはなかったのでいいんです。

さらに大きな問題に直面するんです。

それは他の乗客に起因するものでした。

「背もたれをいっぱいまで倒すと後ろのお客様のご迷惑になることがありますので・・・」と車掌に言われてるにもかかわらず、私の足に当たってもなお背もたれを倒そうとするやつが前に座ったんです。

開いた口がふさがりませんでした。

そんなことを平気でする生き物とは口も聞きたくないじゃないですか。

暇だったんで、注意と応答のシュミレーションを考えてみたんですが、どうしても最後はケンカ腰の言い合いになりそう。

ですので、やっぱり口を開くのは止めて、足を挟みこんで「キミの背もたれ作動範囲はここまでね」とアピールしときました。

それでも隙を見て倒しこんでくるので最後はあきらめましたけど。

ちなみにそいつのツレも同様に横暴な態度を取ってましたが、どういう環境で生きてきたんでしょうかね。

まったく脳の状態を疑います。

いいかげん疲れてたので、「こんな人がテロにあって死んでしまえばよかったのに」なんてことも考えました。

そんな輩が世界貿易センタービルで働くことは決してありえないのは分かってますが、なんとか合法的に社会から抹殺してもらいたいなーと。

アブナイ発想になってきたので、このへんで止めましょう。

CIAのチェックが入りそうですので（笑）

とにかく高速バスはもう乗りませぬ。

そんな低所得環境を垣間見たかと思った矢先に、「ダイエー戦をドームのスーパーボックス席から見る」という一転してハイソサエティな体験させてもらってみちゃったりしました。

こちらでは当然上記のようなアホウな輩は視界にも入ってくることはありません。

給仕のおねーさんもいろいろな意味でグッドでしたし、ナンと言っても冷蔵庫に居並ぶビールがハイソな証。（おとうちゃん、ごちそうさまでした！）

入り口からして違いますし、球場の興奮と居間で野球中継を見る感覚が同時に味わえるのは感動物でした。

年間契約でいくら払うか分かりませんけど、いつの日か１部屋確保してみたいものです。

「想いは通じる」とグリーンデスティニーでも言ってたし。

いや、エレン・ブロコビッチだったかな？

ダイナソーかもしれんが、違うか？

フロムダスクティルドーン３とタービュランス３は絶対違う。

ここ二日で８本映画を見たので、なにがなにやら分からなくなりました。

とにかく努力します。

スパーボックスオーナーになるその日まで。

2001/09/20

秘密基地

近日、大阪経由で日本海へ遊びに行くことになりました。

友人の行き付けの旅館で、豪華刺身を肴に酒を飲もうという企画。

一泊2食付きで一万ちょっとで、そりゃもうウハウハの魚料理が食えるらしいっす。

数年前に違う旅館に忘年会をかねて行った時は「ふぐ食い散らかしコース」でして、それはもう幸せの絶頂を体験したものであります。

あの夜が再現されるのかと思うと、いまから待ち遠しくて夜も寝られません。

いつもは新幹線で大阪まで行っていたんですが、「金はないけど時間はある」なんて学生みたいな状況の現状の私です。

ちょっとお金をセーブしようと調べてみました。

最も安いのはJRの青春18キップというちょっとワイヒーな名称（当社比）のやつでしたが、行程がつらそうだし時刻表調べたりするのがメンドクサイし、第一利用可能期間を外れてるので、却下。

次に安価なのが高速バス。

これなら乗ってしまえばあとは寝とけばついちゃうし、お値段も新幹線より1万円ちょっと安い。

旅館代が浮いちゃう寸法です。

「新幹線で大阪まで来たと思えば俺だけなんか今日はただ酒」というちょっと背面飛行な幸せを感じることができるのです。

夜9時に出発して朝７時に到着ってのも、なんか悲壮感が漂ってていいじゃないですか。

ガード下辺りの場末の飲み屋でコップ酒でも飲んでバスの出発時刻を待つ、なんて演出も効果的かも。

大将が「餞別だ」とか言って焼き鳥を何本か紙袋（←重要）に包んで渡してくれたりすると、ＢＧＭで「大阪で生まれ女」が流れ出しそう。

そうなってくると、私もスポーツ刈でエリを立てたスイングトップ（紺色）を着て、カバンはボストンバッグという出で立ちである必要があります。

のれんをくぐって店を出て、しばらく見ることが無いであろう中州のネオンを見上げている私を、きわめて原色に近い配色のスーツを着た聖子ちゃんカット風のオネーサン（出演：早乙女愛）が「スナック　蝶々夫人」のこれまた原色な看板の陰から見つめている、なんてのはどうでしょう。

とまぁ妄想はさておき、費用対効果を考えて高速バスで行くことに決定。

予約して切符を取りに天神バスセンターへ向かいました。

三越と西鉄福岡駅とバスセンターが合体したのは知っていたので、とりあえず行ってみると、想像を絶する事態に遭遇しました。

なんとバスセンターが地上3階になっていたんです。

当初、私の天才頭脳の中では下記のようなシミュレーションとなっていました。

しかし、２階分を一気に上がるエスカレーターで移動した高度１０メートルほどに位置するところに、確かにバスセンターがありました。

どうやって地上まで降りるのかが非常に気になります。

郊外とかにあるバスセンターならば、長いスロープをつくっても土地代なんかたかが知れてるので問題は無いでしょうけど、ここは九州でもトップレベルの高価な土地。

バスが通れるスロープなんか作るのはちょっと採算的に問題があるような気がしてなりません。

ということは、立体駐車場の理論で巨大エレベーターと回転台を使って１階−3階間を移動する、というサンダーバード方式が採られているのではないのか？と想像しています。

もしそうだとしたら、なんか21世紀って感じでえらくカッコイイじゃないですか。

きっと「♪チャッチャララーチャララッチャッチャッチャララッチャッチャー・・・サンダーバーズ・ア・ゴー」なんてのが幻聴で聞こえるはずです。

やっぱ輸送用ということで、きっと2号に相当するんだと思われます。

もしくは2号のコンテナから出てくる予定なのか？

なんて気分は超合金を買ってもらった子供のソレにかなり近いような盛り上がりを見せることでしょう。

しかし、3列シートの真中に位置する私はそのギミックが見られない可能性大。

もっと早くに予約していれば窓際が取れたのに。

大失敗だ！

2001/09/10

A　Poor　People

外務省に勤めていれば、何億円でも着服できるこのご時世。

来年度は必ず外務省に就職希望者が殺到するはず。

当然、優秀な人材が「公金、ゲットだぜ！」を合言葉にどんどん応募するでしょうし、有名芸能人もこぞって名乗りをあげるでしょう。

「あー、外務省が株式会社なら買っとくんだがなー」などと思ってしまいます。

株式会社なら、間違い無く摘発されていて存在すらできませんが。

ともかく、あの公金横領の連中は社会的に抹殺してもらわないと納得いきません。

ヘアヌード写真集出版（自費）の刑とか、雷波少年の無銭旅行で世界4周くらいの刑とか、ちんちん摘出（自費）オカマの刑とかやって欲しいもんです。

そんな公金でウハウハの人を尻目に、私は貧乏性で貧乏というダブルリーチ状態です。

ここで間違ってはいけないんですが、貧乏と貧乏性は違うと言うこと。

貧乏は、ただお金が無い状態のことですから、お金を稼げば良いのであまり問題ではない。

貧乏性は話が違います。

こっちの方が問題は大きなものがあります。

たとえば、高速道路に乗る時、貧乏性は「ハイウェイカードって、買ってもなくすかもしれない」と言って現金払いをします。

貧乏性の気が少しでもあると、「一理あるね」なんて納得します。

しかし、実はハイウェイカードって五万円分買うと、8000円もおまけでついてくるんですね。

8000円って、バイトで稼ごうっちゃあんた、一日仕事ですよ。

ただ五万円を一括で払うだけで、その報酬が受け取れる寸法です。

そんな手を使わない手は無いんですが、貧乏性の人間にはできないんです。

「残額の太いのを落としたら、もう目も当てられん」なんてビビッてしまう。

「あー、わかるわかるその気持ち」って人は、貧乏性確定。

でも、そう言う人に限って、財布の中には残高30円くらいのテレホンカードがずーっと残ってたりしませんか？

30円ですらなくさないのに数万円の残額があれば、絶対落とさないと思いますよ、今は。

ちなみに数年前、福岡から東京まで高速道路を使ったんですが、片道で二万円もかかりました。

ここで五万円のハイウェイカードを買っていれば、飯代くらいは浮いた計算になろうとは思います。

東京在住時代に岩手県まで高速走っていったり、福岡に戻る時も高速使ったりしたので、五万八千円分なんて間違い無く完全に使用したはずなのに。

貧乏性の貧乏という状態では八千円浮かすという発想は出ませんでした。

諸悪の根源は「貧乏性で貧乏」というダブルリーチ状態。

でも両方ともなかなか抜けないのよね。

悲しいですが。

ネタ提供：Y下殿

　2001/09/06

道徳の崩壊がもたらす悲劇

どうも最近、日本人のモラルの低下が目について仕方ありません。

禁煙の所でタバコを堂々と吸うを大人。

人目をはばからずチューしてる若者。

援助交際で買う大人、売る子供。

マクドの列に並ばないで横入りするオバさん。

シルバーシートを占拠する高校生。

ジムニーを見て「ミニパジェロだ！（これもミス）」と言う小学生。

あげればキリがありません。

かく言う私も、のさばる低モラル人間どもからの執拗な攻撃を受け、撃沈寸前の危機に陥りました。

時は新世紀、残暑厳しい昼下がり、ダイエーのトイレでの出来事でした。

昼御飯にココイチカレーを腹いっぱい食べて幸せいっぱい夢いっぱいの私は、シュバイツアー博士の提唱したと言われる「ロケット鉛筆の法則」通り、ウン○君からの脱出信号をキャッチしました。

信号は見る見る強くなり、脱出の瞬間は刻一刻と迫ってきます。

人としてウ○チ君の緊急脱出はなんとしても避けねばならんので、秘技「普通に歩いてるようで実は結構早足」を発動することにしました。

思惑通り秘技が功を奏し、私のトイレ到着は予定より23.75秒短縮され、事無きを得る確立が飛躍的に上昇。

冷や汗を浮かべた額を手の甲でぬぐう私の顔に、久しぶりに笑みが戻ってきました。

さぁ、あとは個室に侵攻し、脱出作戦を終わらせるだけです。

高貴な生まれからか、どちらかというと洋式を好む私ですので、迷わず洋式便器装備の個室へ入ります。

「！」

入った瞬間、めまいを覚えるほどの衝撃が私を襲ったのです。

いつもの個室とは違う、ナニか非常に邪悪な存在が私の足を止めさせました。

そこには、なんと既に誰かから脱出作戦を完遂したものの、流されるのを忘れていた大○が！

トイレにおける最大のモラル違反を前回使用者は犯していたのです。

帝政ローマ時代なら間違い無く死刑になったであろう大罪です。

しかし、犯人は既に逃走したあとですし、私の脱出作戦も秒読み段階に入っていたので、仕方なくそこにあった大○は呪いを込めつつ流し去りました。

無事作戦は完了し、モラリスト準２級の私ですからもちろん最後まで流してトイレと言う名の戦場をあとにしました。

しかし、戦いは終わっていなかったのです。

数十分経過後に、第二次脱出作戦が実行に移されたのでした。

今回も秘技「普通に歩いてるようで実は結構早足」を発動し、いまはもう懐かしささえ覚える古戦場へ急ぎます。

ここでまた悲劇が。

私が個室の扉を空けてみた光景は、信じられないことに先ほどと同じだったのです。

私は「ついにタイムスリップしてしまったのか！でもちょっとセコイ時間旅行だよね」と思わざるを得ませんでした。

そんなことはあろうこともなく、やはり低モラル人間による仕業です。

怒りにクラクラしながら先ほどと同様に流し去り、作戦を実行。

怒りのあまり、必要以上のトイレットペーパーを消費してしまいました。

1回だけならまだしも、あの短時間に二回も大罪に直面するとは夢にも思いませんでした。

そのダイエーのある周辺地域では、水洗トイレは次の人が流す掟がある、なんてことは絶対無いので、やはり低モラル人間の増殖が招いた悲劇だと断言して良いでしょう。

きっとあなたの周りにも低モラル人間がいっぱいいるはずです。

こういった低モラル人間は国を滅ぼし、果ては人類滅亡の危機にまで発展しかねません。

早めに対策を打たないと、地上はゴキブリかアリの天下になってしまいます。

先日、歩いてる私の目の前で、車から火のついた煙草をポイ捨てした低モラル人間がいましたので注意したところ、ちゃんと反省し真人間に返り咲くことができた、という事例もありますので、決してあきらめてはいけません。

なんかホントに道徳チックなオチですが、みなさんちゃんとしましょう。

せめて個室で不快な思いをしないために。

2001/09/04

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